メニュー

脳出血

脳出血は、脳の中を走る細い血管が突然破れ、脳の組織の中に血液が漏れ出してしまう病気です。あふれ出た血液は「血腫(けっしゅ)」と呼ばれる血の塊となり、周囲の正常な脳細胞を直接圧迫したり、炎症を引き起こしたりすることで、さまざまな神経症状を招きます。多くの場合、長年の生活習慣による「高血圧」が最大の背景にあり、血管が脆くなっているところで血圧が急上昇した際に発症します。大阪府豊中市にある「ばんば脳神経外科クリニック」では、高度な画像解析技術を備えたMRIを導入しており、脳出血が疑われる場合には「即日MRI検査」による迅速な診断が可能です。日本脳卒中学会の専門医・指導医として、これまで数多くの急性期診療に携わってきた経験を活かし、患者さん一人ひとりの状態に合わせた適切な判断を行います。脳出血は放置すると命に関わるだけでなく、重い後遺症を残す可能性も高いため、早期発見と適切な管理が何よりも重要です。豊中駅から徒歩3分の立地で、地域の皆さんの脳の健康を守るため、私たちは日々診療に取り組んでいます。

脳出血の症状について

脳出血の症状は、出血が起こった場所やその量によって大きく異なります。脳は場所によって司っている機能が分かれているため、ダメージを受けた部位に応じた「局所神経症状」が出現するのが特徴です。

運動機能と感覚の異常

脳出血で最も頻繁に見られる症状の一つが、体の片側だけに力が入らなくなる「片麻痺(かたまひ)」です。これに伴い、感覚が鈍くなったり、しびれを感じたりすることもあります。

  • 片方の手足に力が入らず、持っているものを落としてしまう・・
  • 顔の半分が引きつったり、口角が下がってよだれが出たりする・・
  • 片側の手足や顔面がピリピリとしびれる、あるいは触った感覚がわからなくなる・・
  • 歩こうとすると片足を引きずってしまう・・

手や足が動かしにくい、あるいはしびれを感じる場合は、脳内での出血や血管の異常が疑われます。詳細は「手や足が動かしにくい」のページ「手や足がしびれる」のページを参考にしてください。

言葉とコミュニケーションの障害

言葉を司る「言語中枢」が出血の影響を受けると、コミュニケーションが困難になります。これを「失語症」や「構音障害(こうおんしょうがい)」と呼びます。

  • 相手の話している内容はわかるが、自分の言葉がうまく出てこない・・
  • ろれつが回らなくなり、泥酔しているようなしゃべり方になる・・
  • 言い間違いが多くなったり、支離滅裂なことを言ったりする・・
  • 文字が書けない、あるいは読めなくなるといった症状が出る・・

急に言葉が出なくなったり、しゃべりにくさを感じたりした場合は、一刻を争う脳の疾患が隠れている可能性があります。詳しいチェックポイントについては「しゃべりにくい」のページをご覧ください。

視覚とバランスの障害

後頭葉や小脳付近で出血が起こると、目に見える世界が変化したり、真っ直ぐ歩けなくなったりします。めまいを伴うことも多いため、耳の異常と勘違いされることもあります。

  • 視野の半分が欠けて見える(同名半盲など)・・
  • 物が二重に見える(複視)・・
  • 激しいめまいがして、立ち上がることができない・・
  • 足元がふわふわして、千鳥足のようになってしまう・・

突然の強いめまいについては、脳が原因である可能性を否定(病気ではないと判断すること)しなければなりません。「めまいがする」のページも併せて確認してください。

意識障害と激しい頭痛

出血量が多い場合や、脳幹(のうかん)という生命維持の要となる部位に出血が及ぶと、意識が遠のきます。また、脳圧が急激に上がることで、激しい頭痛や嘔吐を引き起こします。

突然バットで殴られたような激痛を感じた場合は、脳出血だけでなく「くも膜下出血」の可能性も非常に高いです。「くも膜下出血」のページもご参照ください。意識が朦朧としている場合は、ただちに救急車を呼ぶ必要があります。

脳出血の原因について

脳出血の最大の原因は、長年にわたる過度な負荷によって引き起こされる高血圧です。私たちが日常生活を送る中で、脳の血管には常に一定の圧力がかかっています。

高血圧による血管の変性

高い血圧が続くと、脳の奥深くにある直径0.2から0.3ミリメートル程度の非常に細い動脈の壁に、小さなこぶ(微小脳動脈瘤)ができたり、血管壁が脆くなったりします。これを動脈硬化と呼びます。脆くなった血管が、何らかのきっかけで血圧が急上昇した際に耐えきれず破裂することで、脳出血が起こります。

生活習慣という危険因子(リスク因子)

高血圧を悪化させ、脳出血を招く要因には以下のような生活習慣が挙げられます。これらは「修正可能な危険因子(リスク因子)」と呼ばれ、日々の努力で制御できるものです。

  • 塩分の摂りすぎや偏った食事内容・・
  • 慢性的な運動不足による肥満・・
  • 過度な飲酒や喫煙習慣・・
  • 精神的なストレスや過労、睡眠不足・・

その他の特殊な原因

高齢者の脳出血では、高血圧以外に「アミロイドアンギオパチー」という病態が原因となることもあります。これは血管の壁に特殊なタンパク質が沈着して脆くなる状態で、脳の表面に近い部分(皮質下)で出血を繰り返すのが特徴です。また、若年層では脳動脈奇形や血液を固まりにくくする薬(抗血栓薬)の副作用が原因となる場合もあります。

脳出血の病気の種類について

脳出血は、出血が起こった場所によって名前が付けられ、それぞれ異なる症状や経過をたどります。当院では高度なMRIを用いて、どの部位でどれほどの出血が起きているかを精密に診断します。

被殻出血(ひかくしゅっけつ)

脳出血の中で最も頻度が高く、全体の約40パーセントを占めます。大脳の奥にある「被殻」という部分で出血します。運動神経が通る道(内包)のすぐ近くであるため、反対側の片麻痺が強く出ることが多いです。左側の出血では言葉が不自由になる失語症を伴うこともあります。

視床出血(ししょうしゅっけつ)

全体の約30パーセントを占める、2番目に多いタイプです。感覚の神経が集まる「視床」で出血するため、麻痺よりも強いしびれや痛み(感覚障害)が目立つ傾向にあります。視床は脳室という水が溜まっている空間に近いため、脳室内に血が流れ込む「脳室内穿破(のうしつないせんぱ)」を起こすと、重症化しやすいのが特徴です。

皮質下出血(ひしつかしゅっけつ)

大脳の表面に近い「皮質下」という場所で起こる出血です。高血圧以外にも、血管の異常やアミロイドの沈着が原因となることが多いタイプです。出血した場所に応じて、視野が欠けたり、失語症が出たり、けいれん発作が起きたりするなど、症状は多岐にわたります。

橋出血(きょうしゅっけつ)

脳幹の一部である「橋(きょう)」で起こる出血です。脳幹は呼吸や心拍を司る生命維持のセンターであるため、わずかな出血でも意識不明の重体に陥ることがあります。手足がすべて動かなくなる四肢麻痺や、瞳孔が極めて小さくなる(ピンポイント・ピピュル)などの重篤な症状が現れます。

小脳出血(しょうのうしゅっけつ)

体のバランスを司る「小脳」で起こる出血です。突然の激しいめまい、吐き気、立っていられないほどのふらつきが主な症状です。小脳が腫れると、その前方にある脳幹を圧迫し、急激に意識レベルが低下して呼吸が止まる危険があるため、迅速な脳外科的処置が必要になる場合があります。

脳出血の治療法について

脳出血の治療には、大きく分けて「内科的治療」と「外科的治療」の2つがあります。どちらを選択するかは、出血の場所、量、患者さんの意識状態などを総合的に判断して決定します。

内科的治療(薬物療法と全身管理)

出血量が少なく、手術の必要がないと判断された場合は、入院による徹底した全身管理を行います。治療の柱は、さらなる出血の拡大を防ぐための厳格な血圧管理です。

  • 降圧薬の点滴・・血圧を速やかに、かつ適切に下げて出血を止め、再出血を防ぎます。
  • 脳浮腫(のうふしゅ)の抑制・・出血の周囲が腫れる「脳のむくみ」を抑える薬を使用し、脳圧を下げます。
  • 止血薬の投与・・血液を固まりやすくする薬を使用し、出血の拡大を抑えます。
  • 鎮静・鎮痛・・安静を保つために必要に応じてお薬を使用します。

外科的治療(手術)

出血量が多く、脳圧が著しく高い場合や、放っておくと命に関わると判断された場合には、溜まった血の塊(血腫)を取り除く手術を行います。

  • 開頭血腫除去術・・頭蓋骨を大きく開けて、顕微鏡下で直接血腫を取り除く手術です。
  • 神経内視鏡下血腫除去術・・小さな穴から内視鏡を挿入し、モニターを見ながら血腫を吸引する、体への負担が少ない手術です。
  • 脳室ドレナージ術・・脳の中に溜まった脳脊髄液や血液を外に出すための細いチューブを設置する手術です。

当院はクリニックであるため、手術が必要と判断された場合は、速やかに連携する高度医療機関(病院)へご紹介・転送を行います。まずは「今、何が起きているか」を迅速に判断することが救命への第一歩となります。

リハビリテーション

急性期の治療が落ち着いた後は、低下した機能を回復させるためのリハビリテーションが始まります。脳出血によって傷ついた神経細胞自体を元に戻すことは困難ですが、周囲の正常な細胞がその機能を代行できるよう訓練を行います。早期から開始することが、治療後の経過(予後)を良くする鍵となります。

料金について

脳出血の診断にはMRI検査が欠かせません。当院での検査費用(保険診療)の目安は以下の通りです。窓口での負担割合によって異なります。

項目 1割負担 3割負担
初診料+MRI検査(頭部) 約2,500円 約7,500円
血液検査・心電図等(必要時) 約1,000円 約3,000円

※詳細な検査内容や、お薬の処方の有無によって前後します。精密な健診を希望される方は「脳ドック」のページもご確認ください。

脳出血についてのよくある質問

Q1. 脳出血と脳梗塞はどう違うのですか?

A1. どちらも「脳卒中」の一種ですが、状態は真逆です。脳出血は血管が「破れる」病気であり、脳梗塞は血管が「詰まる」病気です。症状だけでは区別が難しいため、MRIやCTによる画像診断が不可欠です。脳梗塞については「脳梗塞」のページをご参照ください。

Q2. 脳出血は前触れ(前兆)がありますか?

A2. 残念ながら、脳出血には脳梗塞のような前触れ(一過性脳虚血発作など)はほとんどありません。ある日突然発症するのが特徴です。ただし、以前から「強い頭痛」が続いていたり、血圧が非常に高い状態だったりする場合は、脳からのサインかもしれません。

Q3. 脳出血の後遺症は必ず残りますか?

A3. 出血の量と場所によります。非常に少量の出血であれば、リハビリによってほとんど元通りになることもあります。しかし、多くの場合は何らかの麻痺やしびれ、高次脳機能障害(記憶力や注意力の低下)が残ります。これを最小限にするためには、発症後いかに早く治療を開始するかが重要です。

Q4. 家族が脳出血で倒れたら、まず何をすべきですか?

A4. まずは救急車を呼んでください。その際、無理に動かしたり、水を飲ませたりしてはいけません。嘔吐している場合は、吐瀉物で窒息しないよう顔を横に向け、ベルトやネクタイなどの衣類を緩めて安静を保ってください。発症時刻を記録しておくと、医師の診断に役立ちます。

院長より

脳出血は、昨日まで元気だった方の日常を一瞬で奪い去ってしまう、非常に残酷な病気です。しかし、医学の進歩により、早期に発見し、適切に血圧をコントロールすることで、発症のリスクを大幅に下げることが可能になっています。私は日本脳神経外科学会専門医、および日本脳卒中学会専門医・指導医として、多くの「脳の危機」を目の当たりにしてきました。その中で強く感じるのは、予防に勝る治療はないということです。

大阪府豊中市の当院「ばんば脳神経外科クリニック」では、高度な機能を備えたMRIを導入しており、脳の血管の状態を詳しくチェックすることができます。梅田から急行で12分、豊中駅から徒歩3分という通いやすい環境を整えているのは、少しでも多くの方に「脳の検診」を身近に感じていただきたいからです。たとえ症状がなくても、高血圧や糖尿病などの持病がある方、ご家族に脳卒中の方がいらっしゃる方は、一度「脳の健康診断」を受けてみてください。

もし、急に言葉が出にくい、手に力が入りにくいといった症状が出た場合は、迷わず当院へお越しください。「こんなことで受診してもいいのかな」とためらう必要はありません。私たちのクリニックでは、丁寧な問診と即日の検査体制で、皆さんの不安に寄り添い、迅速な診断を提供します。皆さんとそのご家族が、笑顔で明日を迎えられるよう、私たちは脳神経外科の専門家として、全力でサポートすることをお約束します。

▲ ページのトップに戻る

Close

HOME