認知症
認知症は、脳の病気や障害などの様々な原因により、認知機能が低下し、日常生活に支障をきたす状態を指します。単なる加齢による「物忘れ」とは異なり、脳の神経細胞が壊れたり働きが悪くなったりすることで、言葉の理解力や判断力が低下し、社会生活を送ることが困難になる病気です。豊中市にある当院では、認知症の初期症状を見逃さないよう、高性能なMRIを活用した精密な検査体制を整えています。梅田から急行で12分、豊中駅から徒歩3分という立地から、近隣にお住まいの方だけでなく幅広い地域の方にご相談いただいております。
認知症は早期に発見し、適切なケアや治療を開始することで、進行を緩やかにしたり、生活の質を維持したりすることが期待できます。当院では「日本脳神経外科学会専門医」や「日本脳卒中学会専門医・指導医」などの資格を持つ医師が、患者さん一人ひとりの状態を丁寧に診察いたします。脳の専門クリニックとして、迅速な診断とわかりやすい説明を心がけております。ご家族の変化が気になる方や、ご自身の記憶力に不安を感じる方は、どうぞお早めにご相談ください。
認知症の症状について
認知症の症状は、大きく分けて脳の細胞が壊れることで直接起こる「中核症状」と、その人の性格や環境が影響して現れる「行動・心理症状(BPSD)」の2種類があります。これらの症状が組み合わさることで、ご本人や周囲のご家族が日常生活で困りごとを感じるようになります。当院では、どのような症状でお困りかを詳細にお伺いし、脳の状態を確認いたします。
中核症状(脳の障害により直接起こる症状)
中核症状は、脳の神経細胞がダメージを受けることで起こる、認知症の根本的な症状です。主な症状には以下のものがあります。
- 記憶障害・・新しいことを覚えられなくなり、数分前の出来事も忘れてしまう。
- 見当識障害・・時間や場所、人物が正しく認識できなくなる。
- 理解力・判断力の低下・・計算間違いが増えたり、計画的な行動が難しくなったりする。
- 実行機能障害・・料理の手順がわからなくなるなど、物事を順序立てて進められない。
- 失語・失認・失行・・言葉が出ない、物の使い方がわからない、視覚的に認識できない。
特に初期段階では「ものわすれ」のページでも詳しく解説しているような症状が見られることが多く、注意が必要です。
行動・心理症状(BPSD)
中核症状によって引き起こされる不安や混乱、さらに周囲の環境などが影響して現れる症状です。人によって現れ方が大きく異なるのが特徴です。
- 抑うつ状態・不安・・やる気が起きない、わけもなく悲しくなる、将来を極度に不安がる。
- 徘徊・・外に出て道に迷ってしまい、自分の家がわからなくなる。
- 幻覚・妄想・・誰もいないのに誰かがいると言う、物を盗まれたと思い込む(物盗られ妄想)。
- 暴言・暴力・・感情の抑制が効かなくなり、怒りっぽくなったり攻撃的になったりする。
- 睡眠障害・・昼夜逆転の生活になったり、夜中に騒ぎ出したりする。
認知症の原因について
認知症の原因は多岐にわたりますが、多くは脳の神経細胞が徐々に死滅してしまう「変性疾患」と、脳の血管にトラブルが起きることで発生する「血管性疾患」に分類されます。それぞれの原因を正しく突き止めることが、適切な治療への第一歩となります。
脳の変性によるもの
脳の中に特殊なたんぱく質が蓄積することで、神経細胞がダメージを受け、脳全体が萎縮していくことが主な原因です。アルツハイマー型認知症などがこれに該当します。なぜたんぱく質が蓄積し始めるのかについては、加齢だけでなく遺伝的要素や生活習慣の影響も指摘されていますが、まだ完全には解明されていません。
脳血管のトラブルによるもの
脳梗塞や脳出血などの病気によって、脳の組織が壊死したり血流が途絶えたりすることで発症します。当院では「脳梗塞」のページや「脳出血」のページで解説しているような病気の精密検査にも対応しています。
その他の原因
脳の病気の中には、治療によって症状の改善が期待できる「治る認知症」と呼ばれるものもあります。例えば、脳の中に水が溜まる「正常圧水頭症」のページや、頭部打撲後に血の塊ができる「慢性硬膜下血腫」のページなどが挙げられます。これらを見逃さないためには、MRIによる画像診断が極めて重要です。
認知症の病気の種類について
認知症にはいくつかの種類があり、それぞれ現れやすい症状や原因が異なります。主な4つのタイプについて、特徴を説明します。
アルツハイマー型認知症
認知症の中で最も多いタイプで、全体の約6割から7割を占めると言われています。アミロイドベータというたんぱく質が脳に溜まり、神経細胞を壊していく病気です。初期症状としては、新しいことが覚えられないなどの記憶障害が顕著に現れます。ゆっくりと進行するのが特徴で、時間の経過とともに日常生活の広範囲に支障が出るようになります。
血管性認知症
脳梗塞や脳出血などが原因で起こる認知症です。脳のどの部分がダメージを受けたかによって症状が異なります。できることとできないことがはっきり分かれている「まだら認知症」と呼ばれる状態になることもあります。高血圧や糖尿病などの生活習慣病が背景にあることが多いため、再発を防ぐための全身管理が重要です。
レビー小体型認知症
脳の神経細胞の中に「レビー小体」という異常なたんぱく質の塊ができることで発症します。実際にはいない人が見える「幻視」や、手が震えたり体が硬くなったりするパーキンソン症状、眠っている間に大声を出すといった症状が特徴的です。症状の良し悪しが一日の中で激しく変動すること(認知の変動)も珍しくありません。
前頭側頭型認知症
脳の前頭葉や側頭葉が萎縮することで起こります。比較的若い世代でも発症することがあります。記憶障害よりも先に、社会的なルールが守れなくなる、万引きをする、同じ行動を繰り返すなどの性格変化や行動異常が目立つようになります。ご本人の自覚が乏しい場合が多く、周囲の対応に工夫が必要です。
認知症の治療法について
現在の医療では、認知症そのものを完全に元通りに治すことは難しい場合が多いですが、症状の進行を遅らせたり、生活上の困りごとを減らしたりするための治療法が確立されています。当院では患者さんの状態に合わせ、以下の方法を組み合わせて提案します。
薬物療法
主に中核症状の進行を抑えるための薬を使用します。脳内の神経伝達物質を調整する「抗認知症薬」には、飲み薬のほかに貼り薬などの選択肢もあります。また、不安、不眠、興奮などの行動・心理症状(BPSD)を和らげるために、向精神薬や漢方薬を一時的に使用することもあります。薬の種類や量は、副作用に注意しながら慎重に調整していきます。
非薬物療法
薬を使わずに、脳を活性化させたり心を落ち着かせたりする方法です。以下のような取り組みが代表的です。
- 回想法・・昔の写真を見たり思い出話をしたりして、記憶を刺激する。
- 音楽療法・・好きな音楽を聴いたり歌ったりして、リラックスを促す。
- 適度な運動・・散歩などの有酸素運動を行い、脳の血流を良くする。
- 生活環境の整備・・部屋にカレンダーや時計を置くなど、混乱を防ぐ工夫をする。
生活習慣病の管理
特に血管性認知症においては、高血圧、脂質異常症、糖尿病などの管理が不可欠です。これらを適切にコントロールすることで、脳卒中の再発を予防し、認知症の悪化を防ぎます。当院では、院内血液検査の結果などを踏まえ、食事や運動の指導、投薬管理を行っています。
認知症についてのよくある質問
Q1. 認知症は遺伝しますか?
A1. 多くの認知症は、直接的に遺伝するわけではありません。ただし、特定のまれなタイプの認知症では遺伝が関係することもあります。一般的には、体質としてのなりやすさよりも、食生活や運動習慣などの共有されている生活環境の影響が大きいと考えられています。
Q2. 加齢による物忘れと認知症の違いは何ですか?
A2. 加齢による物忘れは「ヒントがあれば思い出せる」「体験の一部を忘れる」のが特徴ですが、認知症は「体験そのものを忘れる」「忘れたこと自体の自覚がない」といった特徴があります。例えば、昨日の昼食の献立を思い出せないのは物忘れですが、食べたこと自体を覚えていない場合は、認知症の可能性を考慮します。
Q3. 認知症の予防に効果的なことはありますか?
A3. バランスの良い食事、適度な運動、質の高い睡眠といった健康的な生活習慣を維持することが重要です。また、人との交流や趣味を楽しむなど、脳を意識的に使うことも推奨されます。生活習慣病を放置しないことも、脳血管を守る上で大きな意味を持ちます。不安な方は「健診のご案内」のページもご参照ください。
Q4. 受診するタイミングはいつが良いですか?
A4. 「いつもと何かが違う」とご家族が感じたときが、受診の最適なタイミングです。早期であれば、治療の選択肢も広がります。放置すると症状が悪化し、介護の負担も増えてしまいます。少しでも気になることがあれば、迷わず専門の医療機関へ足を運んでください。
院長より
豊中駅前 ばんば脳神経外科クリニックでは、地域の皆さんが安心して暮らせるよう、認知症の早期発見とケアに全力を尽くしています。私は「日本脳神経外科学会専門医」および「日本脳卒中学会専門医・指導医」として、これまで数多くの脳疾患と向き合ってきました。認知症は、ご本人だけでなくご家族にとっても大きな不安を伴う病気です。だからこそ、私たちは患者さんやご家族の不安に寄り添い、丁寧な対話を通じて最適なサポートを提案したいと考えています。
当院の大きな強みは、即日MRI検査が可能な体制を整えている点です。高性能なMRIを導入しているため、脳の細かな萎縮や血管の状態をその日のうちに確認し、迅速に診断へつなげることができます。原因が認知症ではなく、別の治療可能な脳の病気である場合もあります。その可能性を見逃さないためにも、画像検査は欠かせません。
また、お仕事などで忙しいご家族も来院しやすいよう、土曜日は19時まで、日曜日は午前中の診療を行っております。豊中駅からも近く、提携駐車場も完備しておりますので、お車でも安心してお越しいただけます。まずは、記憶に関するチェックや相談だけでも構いません。早期治療によって、その後の経過(予後)を良好に保てる可能性が高まります。一人で悩まずに、ぜひ私たちのクリニックを頼ってください。
